【 テイルズオブファンタジア 】PS1ゲームレビュー

テイルズシリーズ第一作目。このPS版は1995年12月15日に発売されたスーパーファミコン(SFC)版のリメイクです。

専用のOPアニメーション、新しい戦闘システム、緻密なキャラクター・背景設定、キャラクターボイスなどなど、当時は他の作品にあまりない要素をすべて詰め込んだような作品。

ストーリーに関しても、敵キャラクターについても描かれているので、他の同世代のゲームと比べ、重厚なものになっていると思います。

ゲームタイトル テイルズ オブ ファンタジア
著作権 ©1994 1998 NAMCO,LTD./
©藤島康介
品番 SLPS 01770
公式ジャンル 伝説のRPG
キャッチコピー 悲しみの涙を剣に変えて少年はいま、時間を超える……。
ジャンル アクションRPG
ぼくのプレイ時間(画像クリックで表示)
クリア時間
総プレイ時間

評価

よさげ度 :☆☆☆☆ ~ ☆☆☆☆☆ | ○○○○○ ○○○○○

ぶんなげ度:★★★★         | ●●●●● ●●●●● ●●●●●

おすすめ度:星4 ~ 星5

ひとこと感想:エンカウント率が高いなど気になるところはありますがシンプル操作のアクション、深い設定など楽しめる要素が多く面白いです

よさげ度4 ~ 5

システム

全般

PSの作品ですがロードがはやく、頻度もあまりないです

ソフトリセットができます

移動スピード。町やダンジョンでの移動スピードがかなり速いです

特殊な装備アイテムが必要ですが二人プレイもできます

シンプルな戦闘システム

○ボタンで攻撃、□で防御、×で技というシンプルで分かりやすい戦闘システム

技も何度も連続攻撃を与える爽快感のあるものから、威力は出ないが、けん制する速い技、出が遅くとも強力な技など、一つ一つ差別化されており、動きも違うので、新しい技を使うときなどは特に楽しいです

操作キャラを選べる

隊列で操作したいキャラを先頭に持ってくれば、そのキャラを操作できます。技なども自分でセットして使えます。仲間が5人以上の場合、主人公すら戦闘パーティから外すこともできます

キャラクターによって動きや技が全然違い、差別化がきちんとされているので、操作キャラを変えて戦い方を変えるもかなり楽しいと思います

例えば、近接戦闘キャラをオートで戦わせて自分は遠距離攻撃キャラを使い、後方からひたすら支援するという戦い方もできます

また、ショートカットキーを設定することでパーティメンバーに技の指示を直接出すことも可能です

たいていの作品だと主人公以外操作不可やパーティから外せないなど制約が多いのが普通ですが、かなり古い作品でこれだけキャラクター選択の自由度があるのは単純にすごいと思います

やり込み要素

本編とは関係ないサブイベントが豊富。キャラクターの術技に関わるものからコレクターアイテムなどもあり、サブイベントだけでもかなりの量があります

料理システム。各地にいるシェフなどからレシピを聞くなどして調理でききる料理が増えていきます。単純に戦闘後の回復に使えますが、レシピを集めていくのも楽しいと思います

モンスター図鑑やコレクター図鑑などもあります

シューティングゲーム

本編を進めていくと、ある場所でミニゲームとしてシューティングゲームが遊べます。結構本格的なのでハマる人はけっこういるかもしれません。本編には関係ないので、やりたくない人はやらなくてもいいのも良いです

ストーリー、キャラ、演出、グラフィックなど

OPムービーがついている

この時代の作品にしてはかなり珍しく歌付きの専用ムービーがついています。キャラクターがよく動いているのもいいです

個人的には空を飛んでいるシーンが好きです

ドット絵のグラフィック

グラフィックは全てドット絵でできています。かなり細かく書かれていて、戦闘時の背景もかなりのパターンがあり、昔の作品ですが綺麗に感じます

アイテム表示でも、すべてのアイテムに絵がついていてひとつひとつ描き分けられています

戦闘時、主人公が装備した武器と盾はグラフィックに反映されます

設定

100年前からの歴史、魔術、法術の設定、ハーフエルフの差別など設定がかなり作りこまれています

ハーフエルフの差別設定に関して、元ネタがなんなのか(指輪物語ぽい?)よくわかりませんが、個人的にはこの作品で初めてその印象がつきました

キャラクター

設定だけではなくキャラクターひとりひとりの性格もみんな違い面白いです。たいてい仲間になるキャラは掘り下げられるようなエピソードもあるため、キャラの性格がプレイしていくうちに自然と理解できるようになっています

また、チャットシステムでもストーリーに関係のない話をすることもあるので、そこからキャラクターの会話劇を楽しむこともできます

細かい演出

ショートカットキーで仲間に技を指示できますが、指示された仲間が返事をします。たぶん三種類ぐらいあります。例えば、アーチェに指示をした時なら「はーい!」や「まかせて!」などと返事します

雪国の町で出入りすると吹雪の臨場感をだすためだと思いますが、コントローラが微振動するなど細かい演出があります

ぶんなげ度4

システム

エンカウント率が高い

戦闘はシンプルでおもしろいと思いますが戦う回数が多いとさすがに飽きてきます。また、迷いやすいダンジョンが多いのでなかなか前に進めずストレスがたまってきます

エンカウント率を下げるアイテムがありますが、体感でそこまで下がらない上に消耗品ですぐ効果が切れるため、あまり使えないです

挟み撃ちの頻度が結構高い

戦闘開始時に確率で発生します。はさみうちになると、操作キャラが画面中央、敵が左右に配置され、不利な状況から戦闘が開始します

逃げるには画面左右端のどちらかに一定時間いないと逃げれません。左右に敵が立ちふさがっているので、画面端に行くことが難しい=逃げることが難しくなっています

そのため、敵をいくらか倒さないと逃げることができず、はさみうちになると結局戦うことになり、これらが頻繁に起こると進行のテンポが悪くなりますが、この挟みうちが結構発生してしまいます

一応「ダッシュ」ができれば、敵をすり抜けて左右端に移動できるので逃げやすくなりますが、このダッシュは「テクニカルリング」がなければ意図的に出せないので、このアイテムを入手するまでの間は、はさみうちに遭遇するぶんだけテンポが悪くなるのがめんどくさいです

仲間AI

隊列を絶対的に尊守しようとするため、例えばクレス(プレイヤー)が左右に移動すると、それに合わせてまず移動してから術などを発動しようとします

つまり、術などの行動よりも移動の優先順位の方が高いので、敵から吹っ飛ばされるなどしてプレイヤーが動いていると、永遠に術を発動できずに術の発動が間に合わなくなることが起きます

ミント(回復役)の場合、ある程度のダメージが入ったあとからしか法術(回復)を唱え始めません

大ダメージ技が敵にあれば、回復を始めたとしても詠唱中に攻撃され回復が間に合わなかったり、全体回復がほしい時に回復する基準に満たしていないので一人しか回復しない、などが結構起きます

個人的に戦闘時のミントはゆっくりまばたきし他のキャラとは違い微動だにしないため、敵にボコボコにされている最中にミントを見ると、ほのぼのと眠たそうに見えてくるのが・・・(# ^ω^)ピキピキ

中級以上の術を使うと演出でいちいち戦闘が止まる

ボス戦だけなら、ゆっくり考えられるため利点もあるといえばありますが、雑魚戦でも全部止まるので非常にテンポが悪く、長くやっていくほどストレスがたまります

一部システム利用にアクセサリー装備が必要

例えば以下のようなものがあり、このアイテムを入手し装備しないとシステムを利用できません

・二人プレイ → チャネリング
・マニュアル操作 → テクニカルリング

装備枠も一つ消費することになります

時限要素が多い

チャットなどの雑談や称号やイベント、装備に至るまで、取り逃したら二度ととれなくなるものが割と多いです

一応、周回プレイができますが、引き継げるのは図鑑だけで、称号や料理の熟練度などは引き継げず、前述のとおり戦闘が魔法でいちいち止まる仕様や、会話のスキップ機能がないなどテンポが悪い部分があるため、繰り返しプレイにそもそも向いていないと思います

そのため、すべての称号やアイテムなどを完全にそろえたい場合は攻略情報が必須になります。ただ、術などに関しては取りこぼしてもあとでとれるため、コンプリートを目指す人以外は取りこぼしてもクリアにはさして支障はないです

ショートカットキー設定

L2、R2のショートカットキーは戦闘時の特技画面でしか設定できません

不親切なわかりづらいギミック

あるダンジョンでロープをひっかける場所が分かりづらく少し詰まりました

洞窟では特にスイッチなどのギミックがどこにあるのか見づらい、スイッチを押したときどこに変化があるのかわからない、などがありました

吹雪や灼熱でダメージを食らう場所があり、お守りがあれば防げますが、そのことについての説明がないです。それをほのめかすことを言ってますが、そもそもアイテムなのかギミックやイベントなのかさえ言及していないので普通わからないです

灼熱の方は看板にそのあいまいな文章があるだけ、吹雪の方は入口に同じようなことを言っている人がいますが、10万ガルド以上持っていなければ買う選択肢自体が出ず、ただの雑談かなにかとスルーしてしまう可能性があります

ラストダンジョンでのエンブレム。主人公が用途不明のアクセサリーを装備していないと先に進めません。しかもそのアイテムは町で一般人に話しかけて入手するものなので、その時点で取っていない可能性が大いにあります

説明も何もなく、ギミック発動後に特殊なアイテムがないと通れないとヒントを出しますが、装備なのかどうかも何も言っていないので、このヒントをみたところで結局わからない可能性の方が高いです

ダンジョンが単調で長い

特に「モーリア坑道」は長い上に道も暗く、視覚的にも仕掛けもかなりわかりづらいです

「12星座の塔」は何回も同じ作業を繰り返しさせられ、一度マップに戻ると解いたギミックすべてリセットされるため一気にやらないといけません

中断セーブもないので長いダンジョンはセーブできるところまで一気にやらなければなりません。そしてすべてのダンジョンでエンカウント率が高いのでストレスに拍車がかかります

また、ダンジョンの奥まで行って目的を果たしてもダンジョンの入口に自力で戻らなければならないことが多く、往復の時間がかかります。「ぱっと行く」みたいな親切な選択肢がストーリーによっては出ることもありますが、出ないことの方が大半です

進行に運が必要なダンジョンがある

古代都市でメインルームに向かうときの道順がランダムです。先へ続く扉の数が8つあり、そのうちのどれかが正解になっています。恐らく規則性もなにもなく、正解の扉を選ぶ確率を推測で上げるようなことはできません

フロアの下端まで行って鍵(宝箱が扉と同じ数あり一つだけ鍵が入っている)を拾い、上端の扉まで行くということをしなければいけません

前述の通りランダムなので、運が悪ければ永遠に繰り返さなければならなくなってしまいます

しかも上端と下端の途中にはシンボルエンカウントで追いかけてくる敵が扉の数だけ待機している上に、ランダムエンカウントもきっちり行われるので、ものすごい面倒くさいです

一度入れば途中で抜け出すことも運によるので、脱出すら意図的にできません

あるイベントが苦痛

あるモンスターが落とすドロップアイテムをあつめるイベントがあります

このモンスターが割とレアな敵な上にノルマが五つなので、非常に時間がかかります

ぼくは約1時間かかって、かなり苦痛でした

強すぎるボス

ダオスが強すぎると思います。リメイクで難易度が下がっているらしいですがそれでも、ぼくは強すぎると思いました。特にダオスレーダーが強すぎて、これをくらうとふつうに全滅します

工夫すれば倒せますが、やり方がわからずここでぶん投げる人もいそうな気がします

フェンビーストが強すぎます。下からいくつも薙刀状のつららみないなものを生やしてくる技があり、これが攻撃範囲がかなり広い・防御不可・待機時間0な上に、攻撃の間は完全に無敵でこちらの攻撃が通らない(中断不可)という鬼畜技をしかけてきます

通常攻撃も速く、攻撃力も高いので、すぐにぴよったり即死してしまいます。この技を連発されたら勝ちようがないので相当レベルが高くないと運がいります

ユミルの森最深部での宝箱の仕様

隠し要素的なダンジョンの一つですが、このダンジョンの宝箱の仕様が個人的によろしくないです

どういうものかというと、表示中のマップに落ちている宝箱を一つでも開け、その状態でほかのマップに行くと、開けていない方の宝箱が消滅するというもの

なんのメリットもなく消滅するだけなので、個人的にはいらないと思う謎のシステム。落ちている大半のアイテムはとらなくてもいいようなものですが、「リングシールド」という貴重なアイテムがまぎれているのがタチが悪いです

攻略情報をみないと泣きを見るため、これに関してはみてから挑んだ方がいいです。それか、どのアイテムも拾わずに丸太だけ回収してあとからくるのも手だと思います

ストーリー、キャラ、演出、グラフィックなど

シナリオ的に気になる点

ラストでダオスの目的を知り、時間移動が剣で簡単に行える状態なら、ダオスを倒すよりもダオスの封印をとかれないように阻止する、説得をするなど、過去に戻って争い以外の解決手段がいくらでもありそうですが、どれもしなかった

また、同時にキャラクターの親族などもやられずに済む方法もありそう

というか過去に戻っても、しんだ人は復活しない設定??? よくわからなくなってきた(^^;)

他に時間移動のことを除けば、ミントがユグドラシルにバリアーを張ってさらっとマナの流出を防いでいますが、それができるならダオスも自分の城に結界張っていたし、同じようなことか、それ以上のこと(空間隔離など)ができそうなのにダオスはそれをしなかった

ダオスは洗脳ができますが、それを使いミッドカルズの人間を操って魔科学の開発をやめるように仕向ければ、そもそも開発を秘密裏に阻止できたのではないか、など考えるとよくわからない点がでてくるような

まあ、洗脳が悪人にしか効かないなど理由があるのかもしれませんがやっぱりよくわかりません

他に気になる点は、ダオスは意味がないといって最後の最後までかたくなに事情を話そうとしなかったこと (封印されたり、さんざん邪魔されているため、内心、主人公一派にブチ切れているだけだったかもしれませんが(^^;))

サウンド

チャットボイスの音だけ小さい

これだけ他の音に比べて小さいと思います

まとめ

おすすめ度4 ~ 5(アクションに苦手意識がないなら)

今ではあたり前になった要素がたいてい付いているすごい作品。

例えば、OPをはじめとして戦闘などにもキャラクターボイスが付いている点、新しい戦闘システム、操作キャラが自由に選べる、などのシステム面から、豊富なアイテム(コレクターアイテムなども)・チャット・料理・ミニゲーム・サブイベント・ダンジョンなどのやりこみ要素までいろいろとついているなど。

ストーリーに関して一部、疑問に思うところもありますが、シリーズ初代でシステム面もシナリオ面もここまで完成度が高いのは単純にすごいと思います。

システムで大きな不満な点は中級以上の術を使うといちいち戦闘が止まることやエンカウント率が高いぐらい。

全体的に完成度が高いと思うので、よほどアクションが苦手でないなら、この作品は楽しめると思います。